三四郎の椅子ふとしたことから「三四郎の椅子」を読むことに。 松本民芸家具の創始者でもある、池田三四郎氏の西洋の椅子の収集の書なので、読むというより見ると表現した方がよいか・・・。 30年ほど前の本ですが写真はとても良い状態で、写真から伝わる椅子の木のぬくもりが心地よい。 とくに椅子の足のつくりには時代、国を超えて共通なルールが脈々とあるように思えました。 そんな折、豊科近代美術館で「西洋の庶民生活家具店」が開催され、早速行ってきました。いわゆる「村田コレクション」です。 イギリス、スペインなどの17~20世紀までに創られ使われ続けた家具、中でも様々な椅子が目を引きました。 やはり、椅子の足に・・・。 当店は17年前に、安曇野近隣に在住の木工作家7人に扉、テーブル、椅子をそれぞれ1セットずつ作ってもらいました。 それが事務や商談のテーブルなどに今も健在です。 それらのテーブルや椅子の足が、それぞれ微妙に違いながらなぜか同じ流れであることに、何となく興味を持っていました。 ほとんどの木工作家が「松本技選の木工科」を出ていましたので、それなりに似ているのは当たり前、そうも思っていました。 今回、展示品を見るうちに、このデザインはあの椅子と同じ、我が家のあの椅子の原点はもしかしたらこの時代の作品からか・・・など思いがどんどん膨らんで、真剣に見入ってしまいました。 創ったものが生活で使われ、光沢が加わりなぜか厚みが増したような重さを感じます。 そして、丈夫さ、見た目の美しさを追求していきながら、やはりここはというところは微妙に変化しながらも残っています。 毎日使う椅子の足はいつもどうしてこんな組み合わせなのだろうと思っていたことが、原点は西欧の家具にあったのだと納得した瞬間でした。 「三四郎の椅子」の影響もあって・・・かもしれません。 すがすがしい気持ちになりました。 写真は当店のトチの木の大テーブルです。
by chiheisen_stove
| 2011-09-12 12:25
| 日々のこと
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